日本の人名や地名を表すのに使うローマ字。大きく分けて二系統ある。
「ヘボン式」というのは、私も含めて多くの人が聞いたことのある名前である。
それに対して「訓令式」というのは聞いたことがあるだろうか?
正直に言おう。私はこの記事を読んで初めてその名称を知った。
だが、小学校で教えるのは、訓令式の方が正式なのだそうだ。
訓令式とは、
「た」行なら子音は全てTで統一し、
「は」行なら子音は全てHに統一する。
母音と子音、日本語の組成等を学ぶ上で効果的だと言うので、国語教育関係者の間では訓令式が支持されている。
しかし、一般には使われていない。
訓令式に従って書けば、
富士は馴染みやすいFujiではなく、
Huziになる。
欧米の人からみても、Huziは「フジ」からは遠い発音になってしまうので、GHQからも嫌われたらしい。
講師にとわれた。
Why are there two systems?
残念ながら、
I don't know why either.
記事によれば、
The Japanese government reconfirmed Kunrei-shiki's official status in 1954.
なのだそうだが、この1954年に意味がありそうだ。
1954年12月9日に内閣告示第1号として、ローマ字は原則訓令式で表すことになった。
1954年というと、内閣が長期にわたって続いた吉田茂内閣から鳩山一郎内閣に交代したときである。
もしかしたら鳩山内閣の「向米一辺倒」外交からの脱却が背景にあるのでは?
…と思ったが、違った🤪
前年の1953年に、つまりまだ吉田長期政権の時代に、国語審議会会長から文部大臣に「ローマ字の単一化について」が建言され、それを政府はすでに採択しているのだそうだ。
当時の文部大臣は、岡野清豪。内閣は第4次吉田内閣である。
現実には英語のつづりに近い「ヘボン式」が浸透している。
この実態に合わせるべく、約70年ぶりに改定される見通しになったそうだ。
でも、今回個人的に驚いたのは、
「ヘボン式」って言ってたんだけど、アルファベットのつづりは
Hepburn。
これはこの方式を編み出した
宣教師James Curtis Hepburnの苗字が由来である。
これの読みって、
ヘボンじゃなくて、
ヘップバーンなのねー。
オードリーヘップバーン(Audrey Hepburn)と同じつづりなのよね。