DMM英会話で目指す英検準1級合格!

予備校の日本史講師です。英検準1級取得を目指して、ほぼ毎日オンライン英会話で学んでます。

「沖縄返還」と「施政権」と「信託統治」

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自分の自己紹介で、

I'm a teacher of Japanese history.

とか言ってしまうと、native講師の中には教材をやろうとせず、色々質問してくることがある。

答えてあげたいけど、自分の日本史の知識に比べて英語力がかなり未熟なので、咄嗟には説明し切れない😩。隔靴掻痒な思いをする。

 

講師はアメリカ人たったが、沖縄が第二次世界大戦アメリカに“統治”されていて、

“The administration of Okinawa was returned to Japan in 1972. ”

(沖縄は1972年に日本に返還された。)

こと自体、学校で教わったことが無いのだそうだ。

 

「沖縄は1951年から1972年までアメリカの施政権の下に置かれた。」であるので、英語では

Okinawa had been placed under the administration of the United States since 1951 until 1972.

になる。

 

だが、私は「施政権」をadministrationと表現することを知らなかったので、

“The administration of Okinawa was returned to Japan.”(沖縄の施政権返還)とか

“be placed under the administration of US”(アメリカの施政権下に置かれた)なんて表現できなかった。

“Okinawa came back to Japan.”

“be occupied by US”が限界なわけである😩。

 

まぁ、でも現実には1972年まで“占領”されてたけどね😏

1945年から1951年までは軍政敷いてきたんだし。

今だって、かなりの部分は実質そうだしね。

米軍専用施設だらけ。

図の出典は読売新聞の記事


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面倒なのは、

安易に“in accordance with San Francisco Peace Treaty”(サンフランシスコ平和条約に従って)と付けられないこと。

サンフランシスコ平和条約第4条の規定では

“being placed under US's trusteeship system”(アメリカの信託統治制度の下に置かれる)予定だったのだから。

 

ちなみに、信託統治は国連は「信託」するだけで、「統治」するのはあくまでもアメリカである。

それでも、もし信託統治となれば、信託する国連の監視や干渉を受けることになる。

そうなれば、アメリカが沖縄に軍事施設を多数設置してることは問題にされる。国連の安全保障理事会常任理事国ソ連が黙ってないかも知れない。(忘れてはならないのは、1971年まで国連の安全保障理事会常任理事国の“中国”とは中華民国🇹🇼=台湾であること。)

 

それらの懸念から、アメリカは“making of such a proposal ”(*1提案)をはずだったのに、提案をしなかったと推測されている。

 

大学入試の日本史は“史実”は出題されるが、“推測”は出題されない。

だから、

信託統治されなかった」という“史実”は出題されるが、

アメリカが国連の監視を嫌ったかららしい」という“推測”は出題されない。

しかし、生の授業ではこの“推測”を語ることにしている。

この“推測”があってこそ初めてこの面倒臭い内容も腑に落ちるのである。

 

無味乾燥な教科書の記述通りの内容に肉付けして血を通わせ、“生々しいもの”にするのがホンモノの授業なのである。

暗記事項を連呼するだけの安っぽい授業とは違う。

伊達に大学院出てないから😁

 

 

*1:信託統治の下に置くとする